★★   オススメ、この絵本   ★★ 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 最近は絵本も様々です。 この紹介を通じて興味を持っていただければ幸いです。

 朗読楽団で使ったもの、そうでないものまで、紹介していきます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

 

 

12月23日にブックハウスでのイベントを控えた。

文)林木林/絵)岡田千晶の新作「あかり」です。

「本当に絵本かな」っと思ってしまうくらいに

抒情的なストーリーとリアルタッチな絵。

大人になり忙しく忘れかけている何かをここで思い出させてくれる大人への絵本といった感じ。 光と影を演出しているかのように、比較的、暗めの絵なのですが、暖色系の色も織り交ぜているので

ほのぼのとした絵本としての存在感も持っている不思議な作品。

 

着ました! 新作、ほげちゃん三作目!

相変わらず。青い顔のカバ・・・・いや、クマの人形が

暴れてくれるのしょうか!? とにかく、あの気の抜けた顔からは想像できないほげちゃんの豹変ぶりが今回もまた見えれると思うと少しホッとします。今回は、ペロという子犬が登場する予定ですね。。。表紙では中睦ましいのですがいったいどうなってしまうのか!? とかいう私は知っています。(笑)

最近、頼まれてイタリア語で朗読を練習、って言うか、普通に母国語なんだけれど(笑)。 私ことルディは日本の方が長いので、立ち上げるのに少し練習が必要でした。「あれ!?舌が退化してるな・・・俺」って事でした。 と同時に遠過去の動詞変化が多いのもイタリア語昔話とかの特徴で結構難しいかった(笑)。 で、Piccolo mostro nero nero とはなんぞや? と言うと、「小さなお化けクロクロ」みたいな題名。 内容は「クロクロ島に住むクロクロお化けは、写真を撮るのが大好き、でも島はその名の通りみんな真黒。。。ある日、友達のアイデアから、船で他の島へ出かけます。そう、クロクロお化けは、写真を撮りに冒険に出るのです!・・・しかし、色々な島でガックリしてしまう出来事ばかりです。」 さぁ、後は日本語訳もあるので見てみてください。 イタリアならではの変な・・・いや!個性の濃いキャラクターと背景の奥行き感、そして、イタリア語ではイタリア語特有のリズム、韻を踏んだ朗読が流れます。 オペラの原型はイタリア語その物の発音からメロディーが生まれて来たとも言われますが、普通に言葉の流れに身を任せて聞いてみるのも良いかもしれません。

その感覚を 7月の26日 世界の童話図書館では再現します。

 

 

 

 

 

「なないろどうわ」  真珠まりこ 作品

最初に:: 2月2日にコラボで演出した「なないろどうわ」は異例の入場者を記録して立ち見者が続出してしまいましたが、ちょっとしたハプニングもありながらも大好評のうちにイベントをしました。 それもその筈、その日は作家の真珠まりこさん本人が読み聞かせをしてサイン会を実演してしまう多彩ぶりを発揮して会場を盛り上げました。 その時、プロジェクターメインで公演したのが「なないろどうわ」でした。 まりこさん本人の希望でプロジェクターを使っての演出はとても幻想的で、練習では得られなかった本番の納得間が私もあり、面白かったと思います。では絵本の紹介に 

解説

「なないろどうわ」: くま、さる、うさぎの3匹が、色に分けられた7つの出来事に出会って色々な

             考え方を、そして答えを作り出していきます。 3匹が出会っていく場面は色によって場面の表情の様な物を持っていて、対立、競争、不安、など「そうそう、こんな時あるよね」って会話が進みます。 会話の構成が 面白く、コミニュケーションの中で 「誰が悪い、良いではなく上手く付き合おうよ」と3匹が純粋に解決していくさまは不思議で心が和やかになります。 ある意味癒しなんだと思います。 この作品の一番の凄い所は、3匹の色んな場面の会話に目が行きがちですが、「見えない伏線がある」所だと思います。それは7つの色と場面が人の感情にそっていたり、最後の場面でも少し答えている「虹」について、また3匹の性格は良く読むと我が強い個性なのですが「他者に(合わせるのではなく)尊敬の気持ち」が存在していて「尊重」して進んでいくので、。 あと、構図が立体的に記憶に残っていきます。特に動画の時の記憶は強かったですね。

  

「もったいないばあさん」:言わずと知れているシリーズ作品、もったいない事してると事細かい事

                でもしゃしゃり出る「ちょっとウザイおばあさん」です(笑)。 でも「言ってる事は豆知識」視点の違いから楽しく遊ぼうと言うメモ帳の用に持っててそんがない作品です。よく部屋の片隅にいつも置いてあってたまにパラパラっと見てるだけでも楽しく「へ~そうだったんだ」とその日が少し楽しくなってしまう。 また、(個人的には)「もったいないばあさん」は実は凄くミステリアスな部分も魅力です。

 

「チョコだるま」:チョコレートで出来た雪だるまが ある所に売られていきますが・・・っと言ったストーリーで感動作品です。 また真珠さんらしい恋人同士の素敵な会話、おじいさんとのエピソード、親子のショートストーリーがちりばめられて、こんな短いのに凄くシッカリした、そして豊富な話は何度読んでも見事だな~、と感心します。 絵本なのに映画の様な素敵な話です。

  

「おべんとうバス」; 幼児、3歳くらい向けの作品、色んな食べ物がバスに乗って、お弁当!

             あれ? 一人遅れてるぞ?・・・・といえば解る簡単かつ、絵本らしい作品、真珠さんのなんとも可愛らしい絵がめじろうしで美味しく見られます。

 

 

 

 

 

ハオちゃん&ほげちゃん
ハオちゃん&ほげちゃん

「まんまるハオちゃん」くもん出版

「ほげちゃん」 偕成社

作:絵:やぎたみこ

 

「まんまるハオちゃん」: ある山に竜の夫婦が住んでいました。そしてそこに3匹目の赤ちゃんが生まれます。 名前はハオちゃん生まれた時からまん丸に太ったハオちゃんは2匹のお兄ちゃん竜とすくすくと育ちます。しかし、竜には雨を降らせたり、雲を作ったりのお仕事があるんですが、ハオちゃんは中々出来ません。 それを笑って見ていた仙人・・・兄弟竜は怒って戦います。しかし、とんでもない事が!!!  解説: やぎたみこ さんの人気作品。ハオちゃんです。竜にして竜なのか?・・・と変わった竜の子が自分の生まれついた能力を使って みんなを助けていきます。やぎたみこ ならではの発想と、絵とキャラクターの心理にリアリズムを感じる作品です。起承転結がしっかりしていて、子供には人気もあるはずです。 

 「ほげちゃん」: まさるおじさんから、ゆうちゃんにプレゼントが届きます。それはクマの”ぬいぐるみ” お父さんは熊じゃなくてカバだと思ってその名前を”ホゲちゃん”と名づけました。 ゆうちゃんは大好きなホゲちゃんと毎日一緒でした。 ある日ホゲちゃんを置いて出て行ってしまいます。 するとホゲちゃんは・・・っとちょっと怖い様なほのぼのストーリー解説:やぎさん ならでわのちょっと可愛くない・・・でも何か人好きする愛嬌あるキャラほげちゃん。 人格がリアルな割りに実は凄く優しいホゲちゃんはうちのR楽団陰山のメッチャお気に入りでした。ヤギさんのキャラはリアルと言うか性格の立体感があるんですね。 絵とキャラのマッチングが凄く普通でありながら根底に凄い個性があるんです。 だから時として怖い様にも映ります。

 

まし杏チェック: これも さいがいFM で使用しました。 同時にブックハウス神保町店で10月6日作品を使用しました。 子供たちにファンが多く、サイン会も凄かったです。特に全部一人の作家さんのでの作品公演は初めてでしたが、全てが個々として全然違う内用なんですね。これ凄い事です。似通った物が無いんです。 そして やぎたみこ さんの画力が引き込まれます。自然な中にも奥行きがあって、1ページ1ページが完成されている。2つとも是非見てもらいたい作品です。 

 

 

 

「モチモチのき」 岩崎書店 1971(日創作絵本)

作:斎藤隆介

絵:滝平 二郎

 

簡単な内容:  猟師(リョウシ)のじさま(おじいさん)と、二人ですむ まめた(孫)は、おとなしい良い子だけんど いまだに じさまにピッタンコ。  昼間は大きなモチモチ木にだって いばっているのに、夜になるとその木がお化けみたいだからって おしっこも一人じゃ出来ない、よわむし。 これじゃあ、勇気ある猟師にはなれないかな・・ ・ でもある日、じいさまが 病気で たおれてしまった!? さあ、まめたはどうするのか!

 

解説: 滝平 二郎(たきだいら じろう、1921年4月1日 - 2009年5月16日)の絵が印象的、40代でも見たことのある絵だと思いますが、それもそのはず、滝平さんの年代を見れば解るとおり数々の作品で名作の版画を残しています。「ベロ出しチョンマ・八郎・花さき山・ちょうちん屋のままッ子」などなど、版画の魅力と昔話の内容は結構おくが深い物語が満載です。そして 斎藤隆介さんとのゴールデンコンビで不屈の名作がこれですね。 東北弁だろうと思われる口調が特に印象的で、これをしっかりと朗読するのはけっこう至難です。 しかし古きよき語り口として、この様な名作は必要なのだと思わされる作品です

 

まし杏チェック: これも さいがいFM で使用しました。 が そのかいは、私ルーディが朗読いたしました。 明確に何故と言われると難しいのですが、結局「男の声が良いよね」と結論づいたのです。 この作品は読者の経験とある程度の知識が必要だと思います。 たとえば、山鯨はイノシシと解るかもしれませんが「アオジシ」ってなに?とか「モチモチの木」自体も実は実在する木です。まあ、ネットで調べればすぐ出ますが、元々は、食糧難になった時に食べる木の実だそうで当時の現実も背景に感じられる作品だと思います。 とは言え、現代で見ても読んでも日本語のリズムが素敵で、痛快な流れがありますから問題なく読めます。 これぞ、日本の絵本会の金字塔だとおもいました。 

 

 

 

「ちいさなひこうきフラップ」(徳間書店)

作・絵:松本州平

簡単な内容:フラップはとある国の配達ひこうき。 今日も隣の島へ手紙を運びます。

しかし、天気の様子が!? それからフラップは大変な困難から大事な事を学びます。

解説: フラップは意思を持った飛行機で、とても好青年です。しかも絵を手がける松本さんはプラモデルの分野でもプロで、色合いの出し方が他の作品にはない、美しさがひときわ目立つ作品です。しかも、ストーリーも実は大変感動的かつ意味深い言葉が最後で綺麗に描かれていて、人生に勇気を与えてくれる。そんな作品です。

まし杏チェック: フラップはとても良い子そうなイメージで、純粋です。 最初、個人的には素直すぎるので、何か変わった側面を(冗談ですが)付け加え楽しんでみましたが、よく読むと非常にテンポも良く、何しろ、透き通るような色合いとデザインが印象に強く残ります。しかし、この作品の一番の言いたい事はロマンと友情だと思いました。

 

 

 

 

「としょかんライオン」  (岩崎書店)

作: ミシェル・ヌードセン 

絵: ケビン・ホークス 

訳: 福本友美子
 

簡単な内容: ある日、図書館に1匹のライオンが紛れ込んできます。 「大変だ~」と図書館員は叫びますが館長のメリウェザーさんは全然びっくりしません!?そればかりか、ライオンを住まわせてしまいます。なんで!? しかも、みんなの心配をよそに、ライオンは図書館に居着いてしまうのです!

解説: この本は名作の一つと言っても良い作品で、 絵はソフトですがライオンの立体感、表情の豊かさが猫のようにも、そしてりりしい時もこちらに伝わってきて愛着がわいてきます。同時に図書館員と館長とのやり取りが非常に素晴らしく、映画の様なストーリーと台詞回しに大人が読んでも申し分なく引き込まれます。特に最後の図書館員の「心の成長」がジーンとさせてくれる作品です。

まし杏チェック: これも災害FMで流れました。残念だったのは、15分尺にギリギリ編集して詰め込んだため、 若干内容が軽薄になってしまいました・・・(反省) 兎に角場面場面がヒューマンドラマになっていて、そこには本当に大事なのは何なのか、そしてちゃんと答えを導き出していく、成長する心のストーリーです。

 

 

くまのこうちょうせんせい
くまのこうちょうせんせい

「くまのこうちょうせんせい」金の星社

作: こんの ひとみ
絵: いもと ようこ

簡単な内容: とある学校、そこの校長先生は何時もみんなに、笑顔で大きな声で挨拶をします。 声の小さいひつじ君は校長先生が大好きなので一生懸命練習をします。しかし、ひつじ君はどうもそれが出来ません。。。

解説: この絵本の絵は いもと ようこさん。柔らかなタッチで表情の明るい動物キャラを多く描く人気の絵師さんで たぶん、絵本屋で一度は目にするほど有名な方です。 文章はダイナミックに展開します。そして、意外に真剣な考えさせる暗い背景が潜んでいる作品ですが、実はこれは作者の実話に基づいているからと後で解説しています。 同時にライブなどをするアーティストでもある こんのひとみ さんのリズムのある文章展開とチャンと、力強く生きる強いメッセージを感じ取れる作品です。

まし杏チェック:アーティストである こんのさんの 伝えたいストレートなメッセージが時折ストーリーを飛び越すように表現されるので正直、朗読の部分で難しい雰囲気になってしまいます。 正直、この絵本は こんの さんの歌詞なのだと思います。 なので絵本としては佳作ではないでしょうか。この本を読んで何も感じない人は居ないはず。ストーリーにはとても大事な事が一つあります。 それは悲しさや、嬉しさ心動かす何かを投げかけること。 これはその部分で他の絵本に絶対ない説得力があります。

 

 

 

「うさぎのくれたバレエシューズ」(小峰書店)

文・安房 直子 
絵・南塚 直子
簡単な内容: バレエが大好きな女の子、しかし、中々上手くなりません・・・。そんな事を悩んでいるとある日、その女の子にお届け物が届きます。 中身には手紙とバレエシューズが!「誰なの?、どこに居るのかしら」と女の子はその送り主を探しに家を出てしまいます。

解説: 桜の色が非常に綺麗で「和風・不思議の国アリス」を思わせます。水彩画の優しいタッチと素朴なウサギたちがホッとさせる絵です。正直特別に絵が上手いのではないのですが眺めていると穏やかな気持ちになる水彩の絵が幻想感を引き立てます。 話も幻想的で直接的なメッセージのインパクトはないのですが、逆にそれを綺麗に流す様に書かれた文章は読み手をとても気分良くさせてくれます。そして少女に人生のアドバイスを教えてくれるプロセスの文章がとても美しい。 

まし杏チェック: 朗読楽団の声優・蔭山の心を捉えたと言っても良いくらい気に入ってました。 文章の語感がとても綺麗だそうです。 もしお子さんが女の子ならこの作品を一度は読んであげて下さい。 私個人の感想だと、日本の女性の感性が冴え渡った作品だと、又、同時に古事記の様な印象も受けたのです。奥ゆかしさもありながらチャンとしたボーダーラインの怖さを教えてくれる。大切な作品だと思います。

 

 

 

「うきわねこ」 (ブロンズ新社)

文/蜂飼 耳 

絵/牧野 千穂

 

簡単な内容: ねこの主人公 えびお君はその日誕生日でした。 え、なんでうきわ? そんなプレゼントがお爺ちゃんから届いて 不思議そうな えびお君、そして中におじいちゃんからの・・・

解説: 牧野さんの絵は非常にファンタジックで空間が頭の中に入ってくる様な魅力があり、このストーリー全体を包み込みます。ストーリーは絵本ならではの不思議間が満載でホンワカしたストーリーですが、飽きさせません。話の最後には作者の伝えたいものがくっきりと書かれているのですが、それは同時に読み手にゆだねた部分で深みがあります。

まし杏チェック: 後になると「あれってさぁ」と仲間内で「うきわねこ」のエンディングのメッセージの答えを話し合っていた時間を思い出します。つまりは読み手がどう思うかが、大きく分かれるのではないでしょうか。僕から言わせると非常に日本的な、良い意味であいまいな語感が潜んでいます。 独特な魅力と同時に最後の部分だけでもこの本は強いインパクトがじわじわ残る作品でした。(災害FMでの3回めの作品として朗読楽団発表しました)

 

 

 

「はっぴぃさん」 (偕成社

作/荒井良二

 

簡単な内容: はっぴいさんはどこ? 人生をはっぴいに変えるため、噂のスポットへむかう、主人公二人は、とうとうたどり着きますが・・・

解説: 絵もストーリーも手がける荒井良二さんの作品。レゴブロックのようなキャラなのに、よく見ると戦争のような背景もあり意外に切実な環境を描いている。正直、強いメッセージに裏打ちされた現代アート作品と思います。内容では主人公の近況をテンポの良い文章で楽しませてくれて、同時に「本当の幸せはここにあるんじゃない?」と言う作者の暖かい人柄も感じられ元気を与えてくれる作品です。

まし杏チェック: これも災害FM気仙沼で使わせていただきましたが、とても面白い作品と同時に身の回りが慌しくなって、ぎりぎりで終わらせたので考え深い作品でした。

個人的に自分の意図としない事を多く学ばせてくれた作品で、音楽の部分でまったく違うアプローチをしてました。 読み手への問いかけがあり、同時に表面的な部分と中身の部分が大きな立体感となって記憶に残る作品です。

 

 

 

 

「ビロードのうさぎ」 (ブロンズ新社)

作者/マージェリィ・W. ビアンコ

 絵&訳/酒井 駒子 

簡単な内容: ある少年の誕生日にプレゼントされたウサギの人形、ビロードで出来た素朴で美しい人形には心があって色々な体験を経験していきます。そして持ち主の少年もだんだん身近な存在になっていきますが・・・

解説: 絵画タッチの絵が絵本の奥行きを深く掘り下げて映し出すので芸術的なストーリーを楽しめます。 同時に、異論があっても可笑しくない、考えさせる部分も強く、子供にとって、とても重要な部分をえぐる様に伝えます。 後半は大人でも、いやむしろ大人だから泣けるのかもしれない、優秀作といえます。

まし杏チェック: 災害FM での1回めの作品でした。 最初、許可が下りて作品を手にしたとたん痺れる様な指の感覚を忘れません。 内容的にも非常によく出来ている上に伝えたい事がシンプルで同時に見方によってはとても考え深い作品です。 実はある方にこの絵本をお勧めと言うと 「読んだけど、私は納得がいかないわ」とネタバレになるので書きませんが、その人の説明が実に心優しい発想だったのを思い出します。そうなんです。 この作品は一瞬、残酷な表現を持っています。そこの所があるから、だから切ない作品であり、そしてとても大事な作品なのです。

 

 

 

おいもさんがね…
おいもさんがね…

「おいもさんがね・・・」 (童心社)

絵・文/とよた かずひこ

簡単な内容: これも3才位までの内容。 「ヤキイモって どう つくるの?」 それを、ゆかいなストーリーでせつめいしてくれる作品。 ほんとうはちょっと ちがうけど、でも ほんとう の はなしだよ。 

解説: 「おいしいともだちシリーズ」ちょっと聞くと不思議なタイトル、最後食べちゃうのに!? と思うのですが、逆に食欲をそそられる絵とテンポ感は作者ならでわの演出です。 初っぱなから「おいもさんがね・・」と思わせぶりな出だし。 そしてストーリー展開は思ったよりスピーディーで愉快で、特にキャラクターが何とも言えない ほのぼのした感覚を与えます。 朗読楽団でもお気に入りの絵本です。 これを題材に読み聞かせを考える人は、是非我々の発想も聞いてみてください。 楽しさがにじみ出ていますから(笑)。 同じような作品はあるんですが、これの秘めているリズムと言うか、伝えてくる音感が自然に出てくる作品です。

まし杏チェック: 作者は音楽を強く意識しているのでしょうか、とてもそそられる動きです。 特に読みながらリズムを 採ったとしても生かしやすかったです。 そしてキャラクターは普通にも見えるのですが可愛いと言う反応が多かった様に思います、 子供ではなく大人の女性に人気でした。

 

 

 

わにわにのおでかけ
わにわにのおでかけ

「わにわにのおでかけ」 (福音館)

絵/小風さち 文/山口まお

簡単な内容: 3才位までの内容。人間の様な生活を送る不思議なワニ(本ではわにわにと紹介)が道行く人が気になって付いていくとそこは!?

解説: わにわには、一見絵もグロテスク何ですが、「子供に人気があります」と紹介されて朗読楽団でも使用しました。 人懐っこいキャラのわにわには、自然と子供を引きつけます。 同時にわにわにはその風貌とは裏腹に、とても庶民的な滑稽な行動が不思議とホノボノとさせてくれる素敵なキャラになっていく不思議なストーリーです。

まし杏チェック: 自分の予想に反して 手にとって読んでみると絵もそうですが、「芸が細かいな~」と絵本を改めて感心した作品でした。 特に朗読楽団メンバーで相談しているとき、突っ込んだりして、話題が増える不思議な吸引力があり。ハマった感じでした。 お話し会で使ってみたら子供がじっくり見続けるので やっぱり選んでみて良かったと思いました。

 

 

 

「バレエをおどるいぬなんていない?」
「バレエをおどるいぬなんていない?」

「バレエをおどるいぬなんていない?」 (BL出版)

作・アンナ・ケンプ/絵・サラ・オギルヴィー/角野栄子

簡単な内容

バレエを習う とある女の子の、ちょっと変わった犬ビフが、最後に女の子の夢を叶える奇蹟をおこします。 さぁ、その奇跡とは、いったいなんなのでしょう。。。。

解説 

全て ひらがな で書かれていますので小学校前でも読める作品。 犬のビフの表情がたまらなく読者を魅了します。 シンプルなのに色彩センスと情景を伝えてくるサラの絵、文にリズム感が有り、ページをめくる度に期待感がましていくアンナの文章、二つが凄く上手くかみ合って進んでいき、 クライマックスは大人も感動できる作品だと思っています。 エレガントでユニークな絵とちょこっとヒネた子供目線のストーリーは、個人的にお気に入りの1品です。 

 

 

 

とんでとんでサンフランシスコ
とんでとんでサンフランシスコ

「とんでとんでサンフランシスコ」 (BL出版)

絵・文/ドン・フリーマン 訳/やました はるお

簡単な内容: 舞台はアメリカのサンフランシスコ。ちょっと変わったハトのシッドは、変わったお家を作り、幸せな生活がまっていましたが・・・ビックリぎょうてんのトラブルに!? さてさてどうなるのでしょう。

解説: シッドは、まさに男の子のキャラクター、その子を中心に進展する素直なストーリー展開と、ドンフリーマンの爽やかな、そして愛着あるキャラデザインはミュージシャンとは思えないくらい。自然と読む方も雰囲気を引き立てます。 

まし杏チェック:ストーリーや発想に不可思議なこだわりは無いのですが、ロマンチックな展開と、急に読み手に語りかける くだり が個人的に感情移入させてくれます。 同時に感情移入するポイントを教えているかの様に作者フリーマンの人となりを感じさせてくれる作品。 感動する内容重視ですが、大らかでも生きる術がこの作品に詰め込まれている様な気がします。